【障害者雇用の現状】企業が求める人材とは

皆さん、こんにちは　
東京都町田市の就労移行支援事業所「ルミノーゾ町田シバヒロ前」の古木と申します。

さて今回のお題は・・・

「障害者雇用の現状と今後の動向～企業が求める人材とは～」についてお話しをしたいと思います。

皆さんは「障害者雇用」についてご存じでしょうか？聞いたことはあるという方がほとんどかと思いますが、現状については詳しくはわからないという方もいらっしゃるのではないのでしょうか。実は2024年4月1日より、障害者雇用の法律である「障害者雇用促進法」が大きく変わっています。

今回は改正の中で特に雇用される側（求職者）にとって知っておいてもらいたいポイントを中心にお話ししたいと思います。また企業はどんな人材を求めているのかなども合わせてお伝えしたいと考えております。

障害者雇用とは

障害者雇用とは、障害のある人が一人ひとりの特性に合わせた働き方が出来るように、企業や自治体などが障害のある人だけの特別な雇用枠を設け、障害のある人を雇用する仕組みを言います。また一定割合の人数を雇用することを義務付けています。

障害者雇用の対象者

• 障害者手帳取得者（身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳）
• 週20時間以上働ける人

※ただし以下の特定障害者は週10時間以上からカウントの対象となる（2024年4月1日より施行）

＜特定障害者＞

1. 重度の身体障害者
2. 重度の知的障害者
3. 精神障害者（発達障害を含む）

法定雇用率とは

従業員全体に対する障害者の雇用率(割合)を言います。

企業や国・地方公共団体が達成を義務付けられています。2024年4月～2.5％(民間企業)

出典：事業主のみなさまへ 障害者の法定雇用率引き上げと支援策の強化について丨厚生労働省

＜現状＞

• 民間企業・・・2.5％　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
• 教育委員会・・・2.7％
• 国　地方公共団体・・・2.8％

※2026年には民間企業の法定雇用率は2.7％に引き上げられます。

障害者雇用の雇用義務のある企業とは

・従業員40.0人以上雇用している事業主に対し適用（2024年4月～）

例：従業員が40.0人いる企業が雇用しなければならない障害者の数は？

「計算式：40.0人×2.5％＝1人」

雇用人数のカウントについて

• 週30時間以上就労⇒1人カウント(重度身体障害者、重度知的障害者は2人カウント)
• 週20時間以上30時間未満就労⇒0.5人カウント(重度身体障害者、重度知的障害者は1人カウント)
• 週10時間以上20時間未満就労⇒0.5人カウント(重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者に限る)

※精神障害者については、特例で週20時間以上30時間未満の短時間労働であっても雇用1人つき1カウント

図表出典：障害者雇用率制度について丨厚生労働省

民間企業における障害者雇用の状況と実雇用率について

厚労省の発表によりますと2023年における民間企業に雇用された障害者の数は64万2,178人で前年より4.6％増加し、過去最高を記録しています。

障害者の実雇用率は2.33％、法定雇用率達成企業の割合は50.1％となっています。障害別だと知的障害者は微増、身体障害者は横ばい、精神障害者は著しい増加を示しています。特に精神障害者は、2024年4月より週10時間就労からの障害者雇用がカウントの対象となったため今後は超短時間（週10時間～）からの就労者も増えてくると予想されます。

出典：【令和5年障害者雇用状況】民間企業で過去最高の実雇用率2.33％！精神障害者雇用が大きく増加丨障がい者としごとマガジン

企業が求める人材とは

企業が障害者雇用で重視していることは「勤怠の安定とコミュニケーション力」です。

• 所定の労働に耐えうる体力、集中力があり、遅刻・早退・欠勤を意識できる人か
• 障害の受容ができていて、自己コントロールができる人か
• コミュニケーション力があり、報連相ができる人か

企業が採用面接で確認している事項

障害者雇用の採用面接では一般雇用と同様に、主に本人の「性格」「意欲」「関心」などを判断する目的で行われますが、特に下記の点を中心に確認してくるケースが多いです。

• 障害の理解、症状や予兆について
• 病状の安定、主治医の承諾について
• 自己の体調管理や対処法について
• 会社に配慮や支援して欲しい点について
• サポート体制（支援機関）について

ミスマッチのない就職をするために

⑴障害の理解を深める（自己理解）

• できること、できないことは何か
• 周囲の理解や配慮はどの程度必要か
• 働く上でどんな特性があるのか
• 自分にあった働き方とはなにか

 

⑵優先順位を決める⇒妥協点をみつける

• 労働時間
• 給料
• 休日
• 通勤時間
• キャリアアップ
• やりがい
• 配慮

 

⑶働き方を決める

• 障害を開示するか非開示か
• 一般雇用か障害者雇用か
• 正規雇用かor非正規雇用か
• 週何時間就労か

 

⑷企業情報を収集する（ハローワーク、支援機関、企業説明会、企業実習・・）

業務内容、勤務形態、職場環境、職場の雰囲気、可能な配慮、待遇面、福利厚生、通勤時間、キャリアアップ、メンタルケアサポート・・・

⑴～⑷を掛け合わせながら、ミスマッチのない就職をめざしましょう。

まとめ

近年、障害者雇用は法定雇用率の引き上げとともに雇用する側（企業）の採用意識が非常に高くなってきています。また、今年から障害者雇用が週10時間から就労が可能（特定障害者）になりました。　　

特に長時間就労が不得手な精神障害者にとって、これまで以上に雇用機会が拡大されると予想されます。障害者雇用での就職を考えている方は、雇用の仕組みをよく理解し、支援機関のサポートを受けながら十分な準備と対策をもって就活に臨まれることをおすすめします。

【参考】

令和４年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況などの 取りまとめを公表します丨厚生労働省

令和５年 障害者雇用状況の集計結果丨厚生労働省

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【年間就労実績（2023年7月1日から2024年6月30日）】47名

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